当事務所の事業再構築補助金の支援プランに『伴走型プラン』を設けている理由~完全お任せの危険性~

当事務所の事業再構築補助金の支援プランに『伴走型プラン』を設けている理由
~完全お任せの危険性~


皆さまこんにちは。
ビジネス支援行政書士 ライズ法務事務所の米山です。
今回の記事は事業再構築補助金について書かせていただきました。

当事務所では事業再構築補助金の支援も承っており、お客様のご負担を極力減らした『先導型プラン』の他に、お客様と一緒に計画作成することを念頭にした『伴走型プラン』を設けております。
お客様のご負担を極力減らしたプランを用意しているのになぜわざわざ逆のプランを設けているのでしょうか。
今回は当事務所の考え方を紹介させていただきます。

理由1:そもそも国が求めているから

これを言ってしまうと元も子もないというか、話が終わってしまうのですが、一応事実なので書かせていただきます。
「事業再構築指針の手引き(1.5版)」では次のように書かれています。

出典:事業再構築指針の手引き(1.5 版)のP28

「まずは自身で御検討いただいた後」に赤い下線が引かれて強調されています。
ただし、当事務所は「国がそう言ってるから」だけを理由にしているのではありません。
どちらかと言うと、次に書く理由の方が『伴走型プラン』を設けた動機としては大きいかもしれません。

理由2:お任せ計画書は補助金返還(しかも利子付き)リスクがあるから

やや刺激的なタイトルですみません。
きちんと説明をさせていただきます。

事業再構築補助金の公募要領には次のような一文が記載されています。

補助事業者が「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和30年法律第179号)」等に違反する行為等(例:他の用途への無断流用、虚偽報告など)をした場合には、補助金の交付取消・返還、不正の内容の公表等を行うことがあります。

引用元:事業再構築補助金公募要領(第5回)のP29

聞きなれない言葉が並んでいて難しいので翻訳します。
実はここにはこう書かれているのです。

許可なく申請内容と違うことをすると利子付きで補助金を返してもらう可能性があります。

そう、なんとただの返還ではなく利子も求められる可能性があるということが書かれているのです。
利子が発生するなんて、公式資料のどこをどう読めばそのようになるのでしょうか。
解説いたします。

公募要領の冒頭に書いてあった「補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律」という法律がキーになります。
条文をそのまま転記すると長いので少し省略した形で引用します。

第19条 補助事業者等は、(略)補助金等の返還を命ぜられたときは、(略)補助金等の受領の日から納付の日までの日数に応じ、当該補助金等の額(略)につき年10.95パーセントの割合で計算した加算金を国に納付しなければならない。

引用元:補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律

この条文でのポイントは2つあります。

1つ目

1つ目は『年10.95パーセント』という箇所です。

普通預金の金利が年0.001%の時代にあって『年10.95%』という数字は、約1万倍という超が付くほどの高利です。(高利な理由は罰金的な意味があるらしい。)
しかも、返せと言われた日から返す日までをカウントした金利ではなく、起点は補助金をもらった日になります。

すなわち、補助金受給から2年後に調査に入られて返還を命ぜられた場合、2年分の10.95%がかかってくることになります。
※公募要領に「本事業終了後、会計検査院や事務局等が抜き打ちで実地検査に入ることがあります。」という記述がございます。

2つ目

2つ目は『国に納付しなければならない。』という箇所です。

「悪質じゃなければ金利までは取られないでしょ。はいはい、返還すればいいんでしょ。」というわけにはいきません。
高利を『納付しなければならない』のです。

まとめ

上記をまとめると、公式資料からは以下のようなケースについて注意喚起していることが分かります。

  • 「既存事業の強みとか新規事業の動機とか新規顧客のターゲットとかよく分からないから審査が通るように適当に書いてよ」と完全お任せで依頼。
  • 申請して見事採択!
  • いざ事業を実施。
    ※実は計画書に書いてあることと自分がやりたかったことに齟齬が生じていたのだが書類はお任せだったので気が付かず。
  • 後年、検査に入られ「書類に書いてあることと違う使い方をしたわね」と指摘を受ける。(すなわち、意図せず『無断流用』に該当していた)
  • 補助金の返還プラス金利

既に事業にお金を使ってしまった後に「返せ」と言われるだけでも厳しいのに、金利まで上乗せされては相当な負担になります。

そのため、当事務所では、お客様と一緒に計画作成することを念頭にした『伴走型プラン』を設けている次第です。

なお、極力お客様の負担を減らした『先導型プラン』も用意しております。
ただし、当事務所では、上記のようなリスクをきちんと説明させていただき、ご納得をいただいた上で契約をさせていただいております。
説明時間などを頂くことになりますが、ご理解をよろしくお願いします。

認定支援機関をはじめ非常に魅力的なプランが多くて目移りしてしまうかもしれません。
提示されているプランとご自身が取れるリスクを考慮した上でご判断をいただき、持続的な事業運営を願っております。