早めの準備がカギ!『新』ものづくり補助金を解説~17次以降のものづくり補助金のお話し~
皆さまこんにちは。
ビジネス支援行政書士 ライズ法務事務所の米山です。
当事務所では補助金申請サポートなどを主業務としており、行政書士の中でも数少ない認定支援機関として経済産業省から認定されている事務所となります。
設立以降多くの事業者さまからお声がけをいただき、成長する機会に恵まれております。
本当にありがたい限りでございます。
さて、
Facebookの方はちょこちょこ投稿していたものの、仕事がやや立て込んでいたこともあり、こちらへの投稿はかなり間が空いてしまいました。
そしてそうこうしているうちに2023年も残り1ヶ月を切り、そして補正予算が成立して色々な補助金が動き出しそうな気配となっているという、なんとも移り変わりの激しい日々となっていてびっくり、、
気を抜くと置いて行かれそうだ。。
ということで今回は、補正予算成立後に新情報としてリリースされました『ものづくり補助金』の17次以降について、その内容を解説していきたいと思います。
なお、詳細情報がまだリリースされていない2023年12月11日現在の情報に基づいて執筆しております。
また、あれもこれも書いた長文よりも読みやすさを重視し、内容を取捨選択して記載しています。
正確な情報、詳細な情報は中小企業庁のHPからご確認ください。
(中小企業庁HP)
https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/yosan/index.html
それではいきましょう
目次
1.ものづくり補助金とは
1-1 概要
正式名称を「ものづくり・商業・サービス補助金」で、これを略して『ものづくり補助金』や『もの補助』と世間的には呼ばれています。
補助金の概要はと言うと、
中小企業などが何か新しいサービスを開発する・試作品を開発する・生産プロセスの改善を行う、といった「生産性を向上させるための設備投資」を支援することを目的としています。
そのため、「何か新しいサービスを開発するため」とは言えないような、ただ単に物を買う、という使い方は出来ませんので注意が必要です。
1-2 補助率と補助上限額
補助率は企業規模や計画内容によって異なり、条件を満たした場合で2/3が上限となります。
補助金額の上限は、こちらもケースバイケースとなりますが、条件を満たすと最大1億円となります。
16次申請の時の上限額が5,000万円でしたので、倍増という、大幅アップを果たしております。
『もの補助』は、同じく人気の高い『小規模事業者持続化補助金』の補助金上限額が250万円ということを考えると、持続化補助金を活用して事業に弾みをつけて、もの補助で大きく羽ばたく、という成長モデルが有効と言えそうです。
なお、表にすると下図の通りとなります。
1-3 申請要件
まず大前提として、GビズIDを取得のうえ、電子申請システムにより申請することが必須条件となっています。
郵送などの紙での申請は認められていない点に気を付けましょう。
『電子申請をすること』に下図の3点を加えた4つが基本要件となります。
この4要件に、申請枠それぞれに適合した要件を追加で満たす必要があります。
※詳細情報が出ていないためこの記事では省略いたします。
2.申請枠について
2-1 申請枠
申請枠については、まず大きく以下の3類型に分けられました。
- 生産プロセス改善等の取組
- 製品・サービス開発の取組
- 海外需要開拓等の取組
そして、この3類型にそれぞれ紐づく形で「省力化枠」、「通常類型」、「成長分野進出類型」、「グローバル枠」という4つの枠が設定されることとなりました。
図にすると下図になります。
2-2 申請枠のイメージ
どのような取組みが各申請枠に該当するのか、という活用イメージは以下の通りであるとされています。
省力化(オーダーメイド)枠
熟練技術者が手作業で行っていた組立工程に、システムインテグレータ(Sier)と共同で開発したAIや画像判別技術を用いた自動組立ロボットを導入し、完全自動化・24時間操業を実現。
組立工程における生産性が向上するとともに、熟練技術者は付加価値の高い業務に従事することが可能となった。
通常類型
最新複合加工機を導入し、精密加工が可能となり国際基準に準拠した部品を開発
成長分野進出類型
AIやセンサー等を活用した高精度な自律走行搬送ロボットの試作機を開発
グローバル枠
海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入し新製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展
2-3 (参考)16次の時の申請枠
16次以前に申請して残念な結果となってしまったために再度申請する、ということを考えている方もいるかと思いますので、参考情報として16次の時の申請枠も紹介いたします。
下図を見ると分かる通り、省力化枠が完全新設となっている一方で、グリーン枠と雇用拡大枠が撤廃となっております。
元官僚で政策立案をしていた立場から考察すると、完全新設の枠というのは組織として注力している部分であり伸ばしていきたいと考えている項目ですので、読者の方は是非ともチャレンジしてもらいたい枠となります。(非常に狙い目の枠であると思います。)
3.16次からの変更に伴う注意点
申請枠に関する変更点は「2-3 (参考)16次の時の申請枠」の通りですが、それ以外の変更点や注意点としては大きく2点になります。
3-1 口頭審査の実施
これには正直おどろきました!
採択者決定前にオンラインによる口頭審査を実施する旨が公表されています。
例えば、事業にかかる意思決定の背景や事業実施に際しての事前のマーケティングの調査について、また、計画書に記載のない内容についても質問を行う可能性があるとのことです。
一応、枕詞として「補助申請額が一定規模以上の申請を行う事業者においては」とはなっているものの、『一定規模』がどの程度か示されていませんので、全申請者が主体的に書類作成に取組む必要があるでしょう。
3-2 公募は2回、令和6年12月10日までに全てを終わらせること
令和5年度補正予算に基づく公募は2回(17次・18次)の実施を予定しているとのことです。
昨年発表では14次・15次・16次の3回予定だったことから、1回分チャンスが減ってしまったことになります。
また、特に注意すべき点として、17次であっても18次であっても事業実施期間が「令和6年12月10日まで(延長不可)」となっていることです。
すなわち、18次申請にチャレンジする場合、申請から採択までの審査期間も考慮すると、事業を実施出来る日数がかなり限られるということとなります。
フローとしては下図になるのですが、18次申請の場合は3番目の「交付決定~補助事業実施」の枠の「補助事業開始」から赤文字の「実績報告」までがかなり狭いこととなります。
3-3 パートナー選びは慎重に!
口頭審査が行われること、令和6年12月10日までであること、この2つのことから私が読者の皆様に提言したいことはズバリ、「パートナー選びは慎重に!」ということです。
元々『もの補助』は、事業再構築補助金のように認定支援機関との共同作業を必須としておりました。
現在では必須という要件は外れ任意となりましたが、今でも公式資料には認定支援機関の支援がフロー図に掲載されています。(下図右下)
すなわち、いくら任意になったとは言え、申請者自身で1から10まで申請書類を用意するのは骨が折れる難易度である、ということが公式資料から読み取れます。
ですので、誰かの助けを借りながら準備をするということそのものは悪いことではありません。
気を付けなければならないのは、「ウチはお客様のお手を煩わせることなく申請書類を作り上げますのでご安心ください」というセールストークに乗っかってしまうことです。
上述の通り、第17次から口頭審査の実施が予定されています。
「補助申請額が一定規模以上の申請を行う事業者においては」という枕詞が付いているとは言え、それがどの程度なのか不明である以上、全員が当事者意識を持つことが必要です。
また、18次申請は事業実施期間が短いという厳しい条件であるため、17次申請の申請数がかなり多くなることが予想されます。
すなわち、倍率が上がり、厳しい競争を強いられることが予想されます。
これらのことから何が言えるか
そう、「パートナー選びは慎重に!」ということです。
確かに丸投げで受けてくれるコンサルにお願いした方が楽でしょう。
ですが!
今回の『もの補助』における17次と18次には大きな違いがあります。
17次の口頭審査で落ちてしまったら?
いやそもそも、倍率が跳ね上がる17次を突破出来るだけのクオリティを兼ね備えていないとしたら?
丸投げよりは多少面倒でも、あなたの事業のことを想って一緒に作業してくれる、そんな『本物』をパートナーとして選んでいただけたらなと思います。
そして、本物かどうか見極めるためにも、色んな方の話を聞く等して、慎重に選んでいただけたらなと思います。
4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
「早めの準備がカギ!『新』ものづくり補助金を解説」として、
- ものづくり補助金とは
- 申請枠について
- 16次からの変更に伴う注意点
という構成で記事を書かせていただきました。
補助金は『募集期間』があるため、「知った時にはもう終わってた、、」ということが起こりがちです。
ぜひ当事務所では補助金に関する情報発信を行っておりますので、定期的に覗きに来ていただければ幸いです。
もちろん、当事務所でもお手伝いさせていただきますので、お気軽にご連絡ください。
※民間企業など行政書士以外が申請者に代わって書類を作成することは違法です。行政書士以外の書類作成代行の広報にはお気を付けください。
今回は以上になります。
ご相談やご不明点などございましたら当事務所までご連絡ください。
※新年度となり、各種支援制度が動き始めると当事務所の業務状況次第ではお受け出来ない事態となることも考えられます。
ご興味がありましたらお早めにご一報ください。
皆さまの持続的な事業運営を願っております。
それではまた
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