補助金のプロが注目している補助金5選~2022年6月6日時点の補助金情報のお話~


皆さまこんにちは。
ビジネス支援行政書士 ライズ法務事務所の米山です。
当事務所では補助金申請サポートなどを主業務としております。

気象庁より、本日(6月6日(月))から関東甲信地方の梅雨入り宣言がなされましたね。
梅雨入りって、「なんか晴れない日が続いてきたなぁ」みたいな予兆があったりするイメージなので、いきなりの梅雨入り宣言にややびっくりしました。

基本、日本ラブリーな私ですが、日本の夏は苦手で、そんな夏の入り口となる梅雨入りは少し気が重たくなるシーズンでもあります。。
(なるべく「夏の前の涼しさ! ご褒美☆」とポジティブに捉えるようにしています(笑))

ただ、夏の入り口とかどうか以前の問題として、そもそも良くない天気が続くことで気が重たくなる方もいらっしゃるかと思います。

そこで、今回は少し趣向を変えて、「注目している補助金5選」と題して、私が独断と偏見で5つの補助金を紹介させていただきます。

「この補助金なら自分の事業のこんなことに活用出来そうだな」といったことを考えてアクティブ思考で梅雨を乗り切りましょう
という趣旨です。
※好評なら今後も続けたいなと思います。

それではいきましょう

0.はじめに

まずはじめに、掲載している順番は注目度順ということではありませんので、そのことをご理解の上、ご覧ください。

また、東京都内の補助金をいくつか紹介しておりますが、日本全国の都道府県・市区町村の補助金を調べ切った上で東京都の補助金を注目しているということではありませんので、ご理解のほど、よろしくお願いします。

そして最後に、あくまで私の独断と偏見であること、2022年6月6日時点であることを申し添えておきます。

1.東京都版のIT導入補助金

1つ目に紹介するのは、「令和4年度中小企業デジタルツール導入促進支援事業」です。
ちなみにまだ公募前になります。(2022年6月15日からの予定)

現在、経済産業省において「IT導入補助金2022」が事業展開中(募集中)ですが、「令和4年度中小企業デジタルツール導入促進支援事業」はその経済産業省の補助金と似た内容となっており、いわば東京都版のIT導入補助金になります。

1-1 事業概要

それでは制度を紹介いたします。

公式HPより抜粋

クラウド型会計ソフトの購入費が補助対象となっている一方、ハード機器やオフィスソフトが対象外となっている点が経済産業省が実施中の「IT導入補助金2022」と大きく異なる点です。

その他にも、助成限度額が最大100万円なのに対して、「IT導入補助金2022」では最大で450万円、補助率も「IT導入補助金2022」では最大で3/4と、費用面ではやや見劣りする内容となっています。

ではなぜ、今回こちらを紹介させていただいたかと言うと、「IT導入補助金2022」で必須となっている『IT導入支援事業者と協力しなければならない』というシバリが無い可能性があるためです。
※後述いたしますが、「令和4年度中小企業デジタルツール導入促進支援事業」はまだ公募要領が公表されていないため事業の詳細は不明です。

IT導入支援事業者はその名の通り、IT導入のプロの方達であるため、プロからアドバイスをもらえる等支援してもらえるのは非常に心強いです。
しかしその一方、支援を受けるに当たって当然に費用が発生いたします。

会計ソフトを導入したいな、最近時間制限が導入されたZoomを有料化したいな、等やりたいことが決まっている方にとっては『IT導入支援事業者と協力しなければならない』というシバリがやや使いづらい支援制度となっておりました。

一方で、東京都版IT導入補助金はそのシバリが無い可能性があり、やりたいことが明確になっている方にとってはこちらの方が使いやすい可能性があるため、紹介させていただきました。

1-2 募集期間及び申請方法

こちらの補助金、注意が必要なのは
 ・申請前に事前予約(エントリー)が必要であること
 ・エントリーが先着順であること(予算に達し次第、締め切り)
という点です。

実は今年4月に、広報費などが補助対象となる「販路開拓サポート助成事業」という助成事業を東京都が事前エントリー制で実施したのですが、約1週間で上限に達したため受付終了となったことがありました。
※当事務所でも↓で記事化しております。
https://bizrise-office.com/column_2022_0414/

今回も同様に、締め切り期限前に終わってしまう可能性がありますため、気になった方は早めにエントリーされることをオススメいたします。

気になるエントリー開始は、
令和4年6月15日(水)9時から
になります。

また、募集要項も同日・同時刻(6月15日(水)9時)に公開予定となっております。

1-3 公式HP

東京都からの「報道発表」のHP
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2022/05/31/08.html

(公財)東京都中小企業振興公社(補助金事務局)のHP(←エントリーは東京都のHPではなくこちら)
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/digital-tool.html

2.事業再構築補助金(原油価格・物価高騰等総合緊急対策枠)

2つ目に紹介するのは、現在6次公募が行われている事業再構築補助金の中の、次回(第7次)から実装される予定の新枠「原油価格・物価高騰等総合緊急対策枠」です。

現在、事業再構築補助金は通常枠の採択率が3割台と、国が行っている中小企業向け補助金制度の中でも高難度の部類に入ると言われております。
※当事務所でも↓で記事化しております。
①事業再構築補助金の難易度を考察
https://bizrise-office.com/column_2022_0209/

②官僚的視点から再構築補助金の結果を考察してみた
https://bizrise-office.com/column_2022_0321/

補助金額は最大で1億円、補助率も最大で3/4と非常に魅力的である一方、その難易度の高さから申請する前に断念する方もいらっしゃると聞いております。

ここで紹介させていただくのは、そんな事業再構築補助金の特別枠として設けられる『原油価格・物価高騰等緊急対策枠』になります。

2-1 事業概要

それでは制度を紹介いたします。

公式資料より抜粋

補助上限額が通常枠よりも半分となっている一方で、補助率が通常枠よりも高いというバランスになっているのが1つの特徴となっております。

そして、何よりも私が着目している点は、『特別枠の採択率の高さ』になります。

以下は第4回公募の採択結果になりますが、通常枠が37.9%であるのに対して、どの枠もそれよりも高くなっております。
例えば、一番件数が多い「緊急事態宣言特別枠」は66.5%、次に件数が多い「最低賃金枠」は74.2%と、通常枠の倍近い数字となっています。

公式資料より抜粋

ちなみに、第4回結果のみ紹介しましたが、第3回以前でも同様に、通常枠よりも特別枠の方が採択率が高い結果となっています。

原油や物価高騰等の影響を受けている方は非常に多いと思われ、すなわち、今回新設される枠を使える方も多いと思われます。

もちろん、高い採択率であったのは過去の枠の話であり、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策枠」が7割・8割採択される保証はありません。

ただ、補助上限額が通常枠よりも半分という事実だけ見るのではなく、補助率が高いことに加え、採択率が高い可能性があるという、全体的に見て魅力的に映ったため紹介させていただきました。

2-2 募集期間及び申請方法

結論を先に書いてしまいますと、第7回から新枠を創設ということは公表されているものの、その第7回がいつから始まるのかについては「公募開始時期は調整中」となっており、詳細は未定になっています。

また、現在公表されている内容も、制度構築の過程で変わってしまう可能性があります。
そのため、あくまで現時点での参考情報ということになってしまいますが、公表されている申請要件を紹介させていただきます。

公式資料より抜粋

原油価格高騰・物価高という現在の状況は間違いなく厳しい状況ではありますが、ピンチであることが採択率が高くなる可能性がある特別枠に申請出来るチャンスになる、そんな『ピンチをチャンスに変える』可能性がある支援制度ではないかなと思っております。

2-3 公式HP

公式HP
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/

公式資料
https://jigyou-saikouchiku.go.jp/pdf/saikouchiku_yobihi.pdf

3.都内の飲食事業事業者が新たなサービスを行う場合の支援事業

※既に公募は始まっており、申請期限が令和4年6月30日(木)【当日消印有効】となっておりますのでご注意ください。

3つ目に紹介するのは、東京都の助成事業である「業態転換支援(新型コロナウイルス感染症緊急対策)事業」です。

名称的に経済産業省が行っている事業再構築補助金に似た内容であることを推測された方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではなく、都内の中小飲食事業者が売上確保に向けた新たなサービスとして「テイクアウト」「宅配」「移動販売」を始める際の支援策となります。

約3年にわたって我々を苦しめてきたコロナ騒動も少しずつ落ち着きを見せ始め、6月10日(金)から海外からの観光客の受け入れを再開する予定となっています。

しかしその一方で、人事コンサル会社が行った調査によれば、「今後も在宅勤務を希望するか」という設問に対して72.8%が在宅勤務継続を希望しているという結果が出ており、「テイクアウト」・「宅配」需要がいきなりコロナ前に戻る(激減する)とは言い切れない状況となっています。

すなわち、この補助金で「テイクアウト」・「宅配」・「移動販売」といった新たな販売手法を始めて国内労働者のニーズを捉えつつ、従来通りのリアル店舗で海外顧客のニーズを押さえる、といった二刀流の稼ぎ方が出来るチャンスであるとも言え、今がまさにこの補助事業の絶好の使い時ではないかなと思う次第です。

3-1 事業概要

それでは制度を紹介いたします。

公式HPより抜粋

助成率が4/5と非常に高く、また、助成対象経費も、広報費・車両費に加えて新たな決済サービスとして必要となるであろうタブレット端末やWiFi導入費も対象となっており、新たなサービスを始めるに当たってかなり充実した支援内容だと思う次第です。

気を付けるべき点とすると、対象期間が「交付決定日から令和4年9月30日(金)」と短い点があげられると思います。
すなわち、採択されたら即行動するという迅速性が求められるということになります。

なお、こちらの助成事業はQ&Aがかなり充実しております。
が、裏を返せば「ちゃんと書いてあるんだからよく読んでね」というメッセージでもあります。
※公式HPの「よくあるご質問(Q&A)」は以下のURLから参照できます。
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/conversion.html#qa

ちなみに、助成限度額100万円をどう考えるかについては申請者の事業規模にもよるので一概には言えませんが、助成率が4/5、すなわち、事業経費で見て125万円というのが助成限度額のラインですので、新規事業で200万円も300万円もかける予定(車両が何台も必要)ということでない限り、100万円は十分な額と言えるのではないでしょうか。

3-2 募集期間及び申請方法

冒頭に記載したとおり、こちらの助成事業は既に公募が始まっており、申請期限が令和4年6月30日(木)【当日消印有効】となっております。

更に言うならば、「当日消印有効」とある通り、郵送で申請を行う必要があり、「持参・FAX・電子メール等による提出はお受けできません。」と公式HPに記載されていますので、6月26日(日)にはほぼ資料の作成を終え、27日(月)以降は不備が無いよう確認をしながら発送作業に取り掛かる必要がある、というタイムスケジュールになろうかと思います。

公式HPより抜粋

3-3 公式HP

東京都からの「報道発表」のHP
https://covid19.supportnavi.metro.tokyo.lg.jp/service/gOCaEqKfIxEtk3WE

(公財)東京都中小企業振興公社(補助金事務局)のHP(←エントリーは東京都のHPではなくこちら)
https://www.tokyo-kosha.or.jp/support/josei/jigyo/conversion.html

4.小規模事業者持続化補助金(第9回公募分)

4つ目に紹介するのは、小規模事業者にとって使い勝手が良いと評判の「小規模事業者持続化補助金」です。
こちらはご存じの方も多いかもしれませんね。

2022年6月6日(月)時点では、公式HPに「第9回公募受付に向けて公募要領の改訂作業中です」、「準備が出来次第HPに公表いたしますので、しばらくお待ちください(6月中旬掲載予定)」となっており、変更点を含めて未定となっております。

ではなぜ未定の事業を紹介するかと言いますと、1度この補助金の採択を受けた方でも10カ月以上の間隔を空けたあと等の条件を満たせば再度申請を行えること、対象経費が幅広い、採択率が約7割、といった使い勝手の良さがあることから、周知する価値があると思ったためです。
※とは言え、補助金目的のために事業活動を後ろ倒しにするというのは正直オススメしません。

4-1 事業概要

それでは制度を紹介いたします。(下図は第8回公募分になります)

公式資料より抜粋

通常枠と特別枠に分かれており、特別枠は更に細かく分かれております。
1枠ずつ紹介していったのでは冗長になってしまうため控えさせていただき、全体的な内容を紹介させていただきます。

補助率は2/3がベースとなっており、赤字事業者は特別枠で上乗せ的に3/4となります。
ただ、特徴的なのは、補助率というよりは上述した通り、認められる経費の幅が広いということがあげられます。

公式資料より抜粋

製造装置の購入費や広報費のほか、旅費・補助事業のために雇用したアルバイトの費用も対象となります。
ただし、注意点としては、ウェブサイト関連費のみによる申請は第8回分では認められていませんでした。

なお、詳しくは公式HP・公式資料をご覧いただければと思いますが、「資料が多すぎて読むのが、、」という方は、過去に資料を読む順番について記事化しておりますのでご覧いただければと思います。
持続化補助金の資料を読む際のオススメの順番
https://bizrise-office.com/column_2022_0405/

4-2 募集期間及び申請方法

上述の通り、第9回分についてはまだ詳細が出ておりませんが、第8回公募分の資料には、申請締切日は2022年9月中旬予定と記載されておりました。

また、申請方法は、第8回では「電子申請または郵送(持参不可)」となっておりましたが、こちらもどうなるのか(電子申請に一本化されるのか)は不明な状況です。

なお、この補助金は、地域の商工会・商工会議所窓口に提出して「事業支援計画書」(様式4)の作成・交付を受けてから申請する必要がありますのでご注意ください。

4-3 公式HP

公式HP
https://r3.jizokukahojokin.info/

公式資料(ガイドブック)
https://r3.jizokukahojokin.info/doc/r3i_gaidobook.pdf

※広報費も対象となる等使い勝手の良さが魅力の補助金です。

5.都内旅行の都民割り

ラスト、5つ目に紹介するのは、事業に使える補助金とはちょっと趣旨が違いますが、こちらを紹介させていただきます。「都内観光促進事業『もっとTokyo』」です。

都民の方が都内を旅行する際に、宿泊旅行であれば1泊5,000円、日帰り旅行なら1回2,500円の定額の助成が受けられる、というものになります。

在宅ワークが許されている職場やフリーランスなど働く場所に融通が利く方は、たまに都内のビジネスホテルで働くと良い気分転換になって効率が上がったりするので、『もっとTokyo』の活用はオススメです。

なお、一部では、GoToトラベルの再開を7月を軸に検討しているという報道もありますが、まだ未確定なため、都民割りの方を紹介させていただきました。

5-1 事業概要

それでは制度を紹介いたします。公式HPにおいて、ポイントとして書かれているのは以下の5点です。

  • 都民の方が都内を旅行する商品が対象
    ※都外を目的地・宿泊地とするものは対象になりません。
    ※都民とは旅行の予約及び催行時点で都内に住所がある方をいいます。
  • ワクチン接種歴(3回)又はPCR検査等での陰性が確認できた方が対象
    ※確認書類等の準備が必要
  • 18歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある方は1,000円上乗せで助成いたします。
    ※参画事業者や商品によっては上乗せの助成の取り扱いがない場合がございます
  • 宿泊旅行は1泊5,000円、日帰り旅行は1回2,500円の定額の助成
    ※1回の旅行の宿泊上限は1人5泊です。
    ※利用回数に制限はありません。
  • ご予約は、取扱事業者(旅行会社、オンライン旅行会社、ホテル・旅館等の宿泊施設)へ直接申込!

5-2 募集期間及び申請方法

2022年6月10日~2022年7月31日までに完了する旅行商品が対象となっております。
なお、予約受付開始は6月10日12時以降からとなっており、0時からではありませんのでご注意ください。

公式HPより抜粋

5-3 公式HP

公式HP
https://motto-tokyo.jp/

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以上、独断と偏見ではありますが、使いやすく皆さまの事業のお役に立てるのではないかと思った補助金5つを紹介させていただきました。

どれか1つでも皆さまの心に響いたら幸いです。

今回は以上になります。

ご相談やご不明点などございましたら当事務所までご連絡ください。
※補正予算が成立し、各種支援制度が動き始めるため、当事務所の業務状況次第ではお受け出来ない事態となることも考えられます。ご興味がありましたらお早めにご一報ください。

皆さまの持続的な事業運営を願っております。
それではまた

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